相続不動産・空き家対策は進めておられますか?

 昨年(2023年)12月13日にいわゆる空き家対策法の改正法が施行されましたが、空き家のことがお悩みだった皆さまはその後ご対応を進めていらっしゃいますか?

 あらためてここで改正の要点と参考となる情報をお伝えしますので、参考になさってください。

 今回改正法では対象となる「空き家」の範囲が拡大されました。
 これまでは「特定空家」すなわち、そのまま放置すると倒壊等の恐れがある状態の空家だけが市区町村の指導・勧告の対象でしたが、改正により「管理不全空家」(窓や壁が破損している状態など管理が不十分な空家)も対象になりました。指導を受けても従わずその後勧告を受けてしまうと、住宅にかかる固定資産税等の軽減措置が受けられなくなります。

 お持ちの空家が指導・勧告の対象とならないように対応するには保全管理を怠らないことが一番ですが、将来も自家として使う予定が立たないのであれば早々に賃貸・売却や更地にすることも選択肢として検討されるとよいでしょう。
 立地にもよりますが、古民家であってもカフェや宿泊施設としての活用も考えられます。

 ここまでは空き家対策法からの観点ですが、ご承知のとおり、今年の4月からは相続不動産の登記義務化が始まります。不動産を相続したら相続登記が必要になります。過去に相続したものの登記手続きが完了していない不動産も対象です。(3年間の猶予期間があります。)
 また、既に、相続土地の国庫帰属制度も始まっています。こちらは、土地の所有権を取得した相続人が、一定の要件を満たした場合に、土地を手放して国庫に帰属させることを可能とする制度です。

 空き家と所有者不明不動産に関する各種の施策は、どちらも、ますます進む少子高齢化と過疎化を見すえた社会経済的な循環を促そうとするもので、事業者サイドの関心も高まっています。
 足もとを見られて買いたたかれるようなことはもちろん避けるべきですが、良い機会があれば資産の見直し・入替えの機会ととらえて実行するのもアリでしょう。

(参考)国土交通省の「空き家対策」のページから
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/akiya-taisaku/index.html
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000138.html
法務省のページから
「不動産を相続した方へ ~相続登記・遺産分割を進めましょう~」https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00435.html
「相続土地国庫帰属制度について」https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00454.html